税理士事務所の仕事内容:どんなことをやっている? [税理士事務所の仕事内容]
税理士資格を目指している人は、将来的には税理士として独立開業を目指している人が多いですよね。
もちろん、学生時代に税理士資格を取って、いきなり独立!という人は少なくと思います。
3年間〜5年間ぐらいはどこかの税理士事務所で実務経験を積んで、お客さんも見つけてから独立というケースがほとんどだと思います。
ここではこれから税理士事務所に転職(就職)するという方向けに、税理士事務所の仕事内容を紹介したいと思います。
私は3社ほどの税理士事務所に転職した経験があるので、業界の標準的なところが書けると思いますので、参考にしてみてくださいね。
税理士事務所の基本的な仕事内容は、会計税務のアウトソーシング業
税理士事務所がどういう仕事をやっているかをひとことでいうと、会計や税務についてのアウトソーシング業ということになると思います。
要するにお客さんの企業としては会計や税務についての仕事を外部に投げてしまいたいというニーズがあって、その受け皿になるのが税理士事務所というわけですね(ただ、後で解説するように「これだけ」ではありません)
具体的な作業というのはお客さんの企業の請求書や領収書をチェックして、内容を確認しながら会計帳簿に載せていきます。
つまり簿記でいう「仕訳」を入力していきます。
そして、1年間の入力ができたらそれを決算書の形にまとめて税務申告、までが基本業務となります。
もちろん、お客さんのレベルによってどこまでやるかはまちまちです。
お客さんの企業にも経理の担当者がちゃんといて、入力作業などはその人にやってもらってこちらはチェックと決算書作成のみということもあります。
ですが、基本的な仕事内容はどこの税理士事務所でも上記の通りと理解しておいて大きな間違いはないと思いますよ。
業務レベルがやや低い税理士事務所もある
税理士事務所にも、どこを選ぶか?によって規模とレベルが違うというのが実情です。
所長税理士がもうおじいちゃん…というところでは正直言っておもしろい仕事ができる可能性は低いです。
逆に、独立してまもない税理士の事務所だと、雑用ばかりやらされていつまでたっても自分で仕事を完結できるようにならない…というリスクもあります。
所長税理士の年齢と、事務所の規模(ちゃんとした業務をしたいなら10名以上〜のところを目指すべきです)はしっかりとチェックしておきましょう。
専門特化型の税理士事務所を目指すべき
あと、税理士事務所として「業務の売り」があるかどうかもチェックポイントですね。
相続税関連の仕事をやっているところや、不動産投資関連の紹介なんかもできるところはかなりレベルが高いですね。
あと、医療法人などの税務を見ているところもレベルの高い事務所である可能性が高いです。
せっかく税理士事務所に転職するなら、レベルの高い仕事を経験したいと考えている方は、得意分野のある税理士事務所を目指しましょう。
「なんでも屋さん」な税理士事務所には注意!
こういう売り(得意分野)がない税理士事務所というのは「なんでも屋さん」的な仕事をしてしまっていることが多いです。
税理士といえども独立したら1人の経営者ですから、ちょっとでも良いお客さんを見つけるために「この分野ならうちに任せてください」という特徴を持とうとするのは自然な流れだと思います。
得意分野がないなら、当然セールスも弱くなります。お客さんからしたら特定の税理士事務所にこだわる必要はありませんから、「それなら安いところにお願いしよう」となってしまいがちです。
組織としての発展を目指している税理士事務所か?を見極めよう
こうなると顧問報酬も安くせざるをえない可能性が高く、所長税理士としても「独立して1人で食っていけたら十分」という認識の人が多いです。
こういう税理士事務所は組織としての税理士事務所の発展を目指していないという可能性大です。
もちろん、どういうスタンスで事務所を運営していくかは所長税理士の価値観しだいですから、良いことでも悪いことでもないです。
ただし、雇われる側の立場で考えると、そういうところは社員の福利厚生もいい加減になりがちですから注意しておくべきでしょう。
【ヘッドハンティングもあり?】会計事務所から一般企業経理への転職について [税理士事務所の仕事内容]
会計事務所で経験を積んで、一般企業の経理職に転職するというケースは非常に多いですね。
特に、会計事務所時代の得意先の経営者から経理の責任者として引き抜かれるというケースが多いです。
会計事務所の場合、お客さんが中小企業の経営者なので、会社のかなり突っ込んだ部分までアドバイスを求められることが多いです。
例えば資金繰りの問題ですね。
いつどこからどのぐらいお金を借りるべきか?といったような会社の機密情報についてアドバイスを必要としている経営者は非常に多いです。
得意先の担当者としてこのような相談を受けている間に「なんならうちの経理担当者としてこない?」というような話になるのはわりとよくある話なんですよ。
会計事務所の仕事はこのようにキャリアアップにかなり有利な面もあります。
社長と普段から直接コミュニケーションが取れるというのはやはり大きいですね。
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会計事務所は小規模な企業なので不安定? [会計事務所の福利厚生]
会計事務所の9割以上は従業員10名以内の小規模な企業です。
住宅街の一角にある個人事務所という感じで活動している税理士が多いので、大企業志向の方は会計事務所の福利厚生とか将来性とかに不安を感じる方も多いようですね。
「税理士資格を取得するまでの修行」と割り切っている人が多い
私が所属している会計事務所に所属しているほとんどの人が税理士志望で、税理士試験の勉強をしながら仕事をしているという人が大半ですね。
税理士になるからには独立を目指す人が多いですが、会計事務所で仕事をしていれば実務経験も得られるので一石二鳥!と考えて会計事務所に転職する人が多いみたいです(自分もそうです)
別の業界にいる人からは「そんな小さい企業で将来不安じゃない?」といわれることもあるのですが、正直言って税理士として独立するまでの修行と考えているのであんまり気にならないですね。
むしろ給料をもらいながら毎日税理士の実務を学べるのでありがたいことこの上ないです。
自分の周りにもこういう気持ちで仕事をしている人が多いと思いますよ。
少しでも福利厚生の良い会計事務所を探すには?
それでも給料は低いより高いほうが良いに決まっていますよね。
自分の場合は年収は450万円ぐらいで会計事務所としてはまだマシな方だと思うのですが、ハローワーク経由で転職活動をするともうちょっと低い年収になるかもしれません。
少しでも条件のよい会計事務所に入りたいなら会計専門の転職エージェントを使っておくのが良いと思いますよ。
必要な方は亜履歴書の書き方や面接での受け答えの仕方とかもアドバイスしてもらえるので、登録だけしておいて損はないと思います(非公開の求人案件とかも紹介してもらえます)
30代男です。会計事務所に未経験で転職することはできますか? [未経験で会計事務所に転職する]
20代はまったく別の業界や職種で仕事をしてきたけど、30代になり家族ができてより安的的に収入を得られる仕事がしたくなったので税理士を目指す、という人は少なくないと思います。
キャリアの築き方として考えられるのは、まずは税理士としての実務経験を積むために会計事務所に入り、実際に実務をやりながら税理士資格の取得を目指すというのが一般的ではないでしょうか。
実際に私自身も20代半ばぐらいでこのようなプランを立てて会計事務所に入社しました(現在はその経験をもとに中堅の一般企業で経理管理職をやっています。こちらはこちらで刺激があって楽しいですよ)
30代で会計事務所に未経験でも入れる?
ただ、このようなプランを立てた場合にネックになるのは「30代の未経験者がそもそも会計事務所に入社できるのかどうか?」ですよね。
長年会計事務所に勤めていた者の実感としては、やる気さえあれば30代の業界未経験者でも会計事務所に入社するというのは決して高いハードルではないと思います。
実際、私が勤めていた会計事務所でも30代でまったく未経験から転職してきたという人はたくさんいました。
税理士としての独立を目指すなら
30代から税理士を目指すという人の場合、近い将来には税理士資格に合格して独立していることを考えていると思います。実際、税理士資格を取得すれば独立して開業することはそれほどハードルは高くないと思います。
多くは会計事務所で実務経験を積んでいる間に税理士資格に合格するとともに、仕事をしながら自分のお客さんとなってくれそうな得意先を開拓していく…というキャリアの築き方が多いでしょう。
私が過去に会計事務所で一緒に働いていた人たちの中にも、そうやって税理士として独立していった人が何人かいます(独立後は収入はアップしたものの激務で超大変…と言っている人が多いです)
ただし、30代から税理士を目指すのであれば、あまりダラダラと勉強を続けてしまうのは禁物です。
仕事をしながら科目合格制(税理士試験は1年に1科目ごとの合格でもOKです)を上手に活用して、毎年着実に合格科目を増やしていくことを目指しましょう。
公認会計士を目指しています。税理士事務所に入ると居心地が悪いでしょうか? [公認会計士と税理士の比較]
将来的には公認会計士になりたいけれど、ひとまず財務や税務関連の実務経験を積むために税理士事務所への転職を目指すという人は多いと思います。
実際、私が税理士事務所で仕事をしていたときにも公認会計士志望で入社してきた人は何人かいました(私自身は税理士志望でした)
結論から言うと、公認会計士志望の人でもひとまず税理士事務所への転職を経験しておくのはアリだと思います。
ただし、将来の自分の公認会計としてのキャリアをどのように作っていくか?については税理士志望の人に流されずに自分で考えていかないと絶対にダメだと思います。
やっぱり税理士事務所に入ってくる人は基本的には税理士志望(そして独立志望)の人が多いですからね。
あなたが将来的に公認会計士としてのキャリアアップを目指しているのなら、監査法人への転職をゴールにするべきです。
税理士事務所での経験は、「当面の収入を得るため」や「税務経理関連の実務経験を履歴書に書けるようになるため」など、ある程度割り切って考えましょう。
公認会計士に合格すると税理士資格も得ることができますが、この2つははっきり言って「まったく違う仕事」と認識しておくべきです。
公認会計士を目指している人にはいうまでもないことだとは思いますが、公認会計士としてキャリアアップを目指すなら監査法人に入って上場企業相手に監査経験を積むのが一番です。
ただし、監査法人に入社できるのは優秀な公認会計士合格者の中でもさらに一握りの人だけですので、もし監査法人にスムーズに入れない場合には税理士事務所で経験をつみながらキャリアアップしていくことも選択肢に入れるべきだと思います。